読売理工学院は建学の精神で「自由で、創造性豊かな全ての青年たちに、民族や宗教、国境を越えて門戸を開く」とうたい、「国際化・国際性」を教育の柱の一つに掲げました。その理念に基づいて1970年の開校初年度から留学生を受け入れ、その数は50年間で1680人に上っています。
 日本社会は急速な少子化で労働力不足が深刻になっており、外国人を産業の担い手として育てることが喫緊の課題にもなっています。
社会の要請にこたえ、向学心に燃える留学生を優秀な技術者として送り出すために、「読売理工学院留学生指導指針」を作り、目指すべき人材像とそれを実現するための教育プログラムを定めます。

2020年4月

読売理工学院留学生指導指針


1. 本学院での留学生教育を充実させ、きめ細かい指導を行うため、日本人学生と分け隔てのない教育の機会を与えることを原則とする。
2. 在籍管理を厳格に行う一方で、教育・指導にあたっては以下の点に留意する。
  1. 留学生が日本語能力試験(JLPT)のN2合格者であっても、難しい会話の理解度はそう高くないため、できるだけやさしい表現を使って会話することを心がける。
  2. 留学生は日本の社会や学校でさまざまなハンディや困難を背負っており、そのストレスにさらされている状況を理解する。
  3. 私費留学生は生活費等の相当な部分を自身で賄っているものが多く、経済的余裕、時間的余裕がないことを理解する。
  4. 留学生を教育、指導することは文化交流の一環としてとらえ、相手の文化や宗教を尊重する。
  5. 出身国・地域等にとらわれることなく、あくまで一人ひとりの個性、人格を尊重する。
3. 出席、成績、学習態度などで問題が起きた場合は、別途定める留学生指導ガイドラインに従って迅速に対応し、適切な指導を行う。
4. 留学生を対象にイベントを開催し、相互の交流促進を図る。
5. 留学生相談室の職員が生活支援の相談窓口となり、サポートする。
6. 留学生相談室に留学生から直接相談が寄せられた際には、速やかに対応し、その内容を校長に報告する。


【目指すべき人材像】

(1)誇りを持って仕事に取り組める人材

(2)仕事の目的と内容を理解できる人材

(3)仲間と協力し助け合うことができる人材

(4)日本の文化・習慣を尊重できる人材



【教育プログラム】


 この教育プログラムは、本学院で学ぶ留学生について、入学前から卒業までのそれぞれの段階で、留学生指導指針に沿った教育を行うための目標や指標を定めたものである。2年生コースを前提としているが、3年以上のコースもこのプログラムに準じて扱う。

入学前


 オープンキャンパスやガイダンスへの参加を通じ、本学院で学ぶこと、興味があることを明確にしてもらい、それぞれが将来像を描くとともに、日本語力の向上を図る。

・日本語能力試験でN2に満たない場合、本校独自の日本語筆記試験を月1回のペースで実施し、その合格を出願条件とする。
・願書出願して合格後、日本語力をレベルアップするために、入学前リポート、入学前課題に取り組むほか、勉強会も開催する。
・合格者説明会や入学前オリエンテーションで改めて学生生活や職業のイメージをつかむ。


1年次


 専門学校生としての自覚をもち、日本人学生と共に学校生活を送りながら専門教育の学びを深める。

・各学科で数値目標を掲げ、達成を目指す。
(日本語能力試験の合格率や除籍・退学率など)
・留学生オリエンテーションを実施し、学生生活を送る上での注意事項等を周知徹底。
・在留資格更新対象者への個別指導
・アルバイト調査の実施。
・日本語力をアップするため、日本語能力試験対策講座を実施。
・長期休暇前留学生集会を開催(7月、12月、2月)、帰国調査やアルバイトを行う際の就業時間制限などの注意事項を徹底。
・本学院独自の留学生特別奨学金、日本語能力奨学金の申請。
・学園祭等の学校行事に参加することを通じ、共助の精神を養う。
・留学生交流イベントの開催により、日本を含む多国籍文化を学ぶ。


2年次(卒業年次)


 専門教育や就職活動を通して、日本社会における自らの役割を意識し、学びを充実させる。

・各学科で数値目標を掲げ、達成を目指す。
(日本語能力試験の合格率や除籍・退学率、就職率など)
・留学生オリエンテーションで、卒業に向けた調査を行い、諸注意を周知。
・日本語力をさらにアップするため、日本語能力試験対策講座を実施。
・大学編入希望者向け説明会を随時開催。
・長期休暇前留学生集会を開催(7月、12月)、帰国調査やアルバイトを行う際の就業時間制限などの注意事項を徹底。
・就職希望者向け説明会を開催、諸手続き・注意事項を周知。
・本学院独自の留学生特別奨学金、日本語能力奨学金の申請。
・学園祭等の学校行事に参加すること通じ、共助の精神を養う。
・留学生交流イベントの開催により、日本を含む多国籍文化を学ぶ。
・就職内定者の在留資格変更申請の説明会を開催。
・進路未定者の卒業後調査を実施。
・卒業後、在留資格を「留学」から「特定活動」へ変更した学生の管理を実施。

以上